キャメロン首相訪中に思うこと (2)
中英企業100社余りが参加した3日のビジネス昼食会で、キャメロン首相は中英を「不可欠な」パートナーと位置づけたうえ、「中国チャンス」をしっかりと捉えるよう英国企業に念を押した。キャメロン首相は「過去30年近くの間、中国経済は8年ごとに倍増し、中国の中産階級は欧州全体の人口に相当する6億人に迫っている。中国では毎年1300万人が都市住民化する。こうした事実と数字を合わせれば大きなチャンスだ」と述べた。
英紙フィナンシャル・タイムズはこの大きなチャンスは高速鉄道計画での英中協力も合意に導くかもしれないと指摘。英紙タイムズは「キャメロン首相の訪中は英国の中小企業の発展につながる。中国の発展は英国にとっても貴重なチャンスであり、大型プロジェクトを牽引するだけでなく、数え切れないほどの英国の小企業にとっても、中国の発展による利益を分かち合う素晴らしい場となる」と指摘した。
キャメロン首相は3日午後、上海交通大学で講演も行なった。また、武漢に英国領事館を設立する方針を表明した。
■寒さはこの夜と共に去り、 春は夜明けと共にやって来る
年初のオランド仏大統領の訪中に始まり、欧州首脳が中国でトップセールスを行うことは珍しくなくなっている。だがキャメロン首相の今回の訪中はより困難な任務を負ったものだった。昨年5月のダライ(ダライ・ラマ14世)との面会以降冷え込んだ中英関係の立て直しだ。中国の劉暁明駐英大使は「寒随一夜去、春逐五更来」(寒さはこの夜と共に去り、 春は夜明けと共にやって来る)との古詩を引用して中英関係が正常な軌道に乗ることを形容した。