新聞に対する信頼度が高い日本人
中国メディアが見る日本 メディアがますます多様化する現代社会において、伝統的な紙媒体は大きな打撃を受けている。しかし、日本の新聞業界は依然として多くの読者を抱え、安定した地位を保っており、発行部数の大幅減少などは見られない。生命時報が伝えた。
日本新聞協会経営業務部長の高木強氏は取材に答え、日本の新聞普及率の高さについて「これは独特な発行方式と配達体制によるもの」とし、次のように紹介した。
まず、90%の新聞は家まで直接配達され、通年購読者も多い。各新聞社が発行体制を構築し、完備された戸別配達網を確立し、新聞を家まで着実に届ける体制を作っている。ちなみに記者が購読している「日本経済新聞」の場合、住宅地のすぐ近くに販売店があり、毎月必ず時間通りに配達されるだけでなく、接客態度も良い。また、契約している新聞社からは、ほぼ毎月のように映画・野球・コンサートのチケット、食品、日用品といったちょっとした「プレゼント」が送られる。これにより、読者は新聞契約で得をしたと感じ、うれしい気持ちになる。
次に、日本の新聞は報道内容が幅広く、ウェブサイトや電子メディアよりも信頼性が高く、国民は新聞から確かな情報を得たいと思っている。2013年の調査結果によると、ネットからしかニュース等の情報を取得しない人はわずか28%だった。
さらに、これは日本人の読書好きとも関係する。日本人の多くは朝起きてまず一番に郵便受けに新聞を取りに行き、通勤途中で新聞を読む。仕事を終えて帰宅すると夕刊を手にし、夕食後に今日のニュースを読む。これは日本人の一種のライフスタイルとなっている。新聞を購入するのも便利で、24時間営業のコンビニで主要紙が全て購入できるほか、駅のキヨスクでも目立つ位置に新聞・雑誌が整然と置かれている。電車の中で新聞を読む人が多く見受けられるのも当然だ。
もちろん、日本の新聞業界も危機感を覚えていないわけではない。あるベテラン記者によると、電子媒体の台頭により、新聞社の広告収入は大打撃を受け、売上も大幅に下がったという。この結果、伝統的な紙媒体も電子媒体を発展させざるを得なくなった。しかし、日本の紙媒体は単純に電子媒体を模倣したわけではない。電子版のコンテンツを読者に無料で提供するのではなく、「紙面と連動する有料の電子版」というスタンスを保っている。
例えば日経新聞の場合、宅配だと購読料は月額約4900円、これにプラス1000円で電子版の全てのサービスが利用できるという具合だ。伝統的な紙媒体は、電子版という新たなニュース発信方法を手に入れ、より一層発展していくだろう。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年12月5日