日本政界の怪現象:右傾化を競う政客たち (2)
■権力と私欲の野心
日本右翼勢力は振り払うことのできないままの暗い影だ。政府高官の靖国神社参拝、歴史教科書の改正、対中侵略の残した問題であれ、最近の釣魚島をめぐる領土紛争であれ、いずれもその背後には日本右翼の思想と組織の影がある。
実は日本政界に「右翼」という名の党派は本当には存在しない。大多数の場合、国家権力を操っているのは一部の為政者と官僚だ。彼らは自由主義政客集団であり、左翼でも右翼でもない。自民党と民主党の立場を見ると、極右発言をすることはないが、いずれも右寄りの傾向があり、両党共に右翼カードを切ることができる。だが現在の情勢の推移を見ると、「日本維新の会」はすでに伝統的な右翼の定義を打破し、完全な右翼党派となっている。
日本政界の右傾化がどんどん深刻化しているのはなぜか?票の取り込みが最終目的だと専門家は分析する。
冷戦終結以来、日本社会は中産階級の没落、国の経済の停滞、大国化が阻止されるなど多くの問題に遭遇した。長年来の優越感と誇りはもうなく、国民の間にも焦燥と不安が広がり、過激化傾向すら呈している。
無能な保守政権は右翼を甘やかし、放任するばかりで、その勢力拡大を招いている。政局の混乱のために、日本社会には場を収めることのできる権威ある人物がおらず、騒ぎ立てることのできる者が若者と票を引きつけ、政治生命を得るようになっている。自民、民主両党も票を維持するために、右翼発言を繰り返している。