韓国政府はここ数年、ビザ発給条件の緩和以外に、新たな措置を続々と発表し、中国人の訪韓観光旅行をめぐる環境改善とサービス強化に努めてきた。中国人観光客は、韓国最大の空港・インチョン国際空港(ソウル)に到着した途端、「中国からのお客様を心から歓迎します」と書かれた赤い大きな横断幕を目にする。ソウル市内の各旅行案内所は軒並み、無料の中国語版観光パンフレットや相談サービスを提供している。各大型マーケットや免税店では、中国人観光客にショッピング案内サービスを行うため、中国語が話せる店員が多数待機している。買物の清算時に中国銀聯カードを利用すると、数々の特典サービスを受けることができる。人民元での支払いが可能な店舗もある。購入した免税品の税金は、帰国前に人民元建てで払い戻される。また、その払戻金は、銀行口座に直接振り込んでもらうことも可能だ。
韓国を観光する際に、「個人旅行」という形を選ぶ中国人観光客は、ここ数年増加の一途をとどっている。韓国観光公社の統計データによると、「個人旅行」で韓国を訪れた中国人観光客は、2011年には全体の63.9%を占めるまでとなり、この割合は年4%のスピードで増加している。
韓国を訪れる中国人観光客がますます増加するに伴い、韓国国内の観光市場でも、「韓国国内の宿泊施設が数量的に不足していること」「中国人観光客受け入れ能力に限界があること」「廉価で質の低い旅行商品が観光客の利益を損ねていること」などの早急に解決を迫られる問題が、いくつか浮き彫りとなっている。韓国政府は14日の会議で、これらの問題の対策について協議し、▽顧客サービスが劣悪な旅行社に対して行政処分を科し、関連管理体制を強化し、品質が伴わない価格競争を止める▽観光客に対して旅行商品の価格基準を提供し、違法経営を行う旅行社のブラックリストなどを公開し、韓国国内観光業の経営環境浄化を図る---などの具体的な解決策を決定した。
韓国観光公社中国部のハン・ファジュン部長は、「世界各国が今、中国人観光客の争奪戦を繰り広げている。韓国はこれまでにも、中国人観光客を受け入れるための関連方案と措置について掘り下げた検討を重ね、中国人観光客の合法的権益の保護に努めてきた。訪韓中国人観光客数が今後も年2桁台の成長率を維持するよう、尽力していく方針だ」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年11月15日
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