中国の学者「中国人は『羊の子孫』」と主張 (2)
黄教授はさらに、「様」という文字に対して独自の解釈を持ち、「中国人は積極的に唱道している『榜様』の『様』の木へんは自然界の『十字架』と見ることができる。『十字架の上の子羊』の象徴と見なされたイエスキリストがクリスチャンから『神の子』として敬慕されているのと同じで、我々が見習うべき模範なのだ」と説明。「東洋と西洋の文化にも共通点があるのは、とても興味深い」と語っている。
黄教授が「羊」という文字に注目し始めたのは、陝西師範大学中国語学部で学んでいた頃という。「美学」を学習している際、羊が大きいと書いて「美」と読むことに関する一連の発見に興味を抱き、1983年に作成した卒業論文の主題も『美の起源』だった。
以降、読書の最に「羊」に関係する情報を見つけるたびに、それを保管する作業を「20年以上」続け、「20万字以上の本を書くに足るようになった」という。
黄教授はこれまでに、党校の学生向けに、「中華民族の歴史の始まり-中国古代の羊文化」と題する講座を開いたこともあり、「斬新」との評価のほか、歴史や考古学教育を学ぶ学生からは、「これは極めて複雑な問題だ」と指摘されたという。
中国メディアは2006年、「中国の国家ブランドイメージ再構築」に関して、する報道を行い、「『龍』を中国のイメージとするのをやめ、新たなイメージを確立すべき」とする上海外国語大学の呉友富・教授の意見を報道。またたく間に話題騒然となった。うち、反対する意見もかなりあった。
中国人の「龍」に対する特別な思いは、辰年だった今年、縁起がいいと出産ラッシュとなったことからも分かる。北京や上海、済南市(山東省)など多くの都市では、産婦人科が満室になり、出産後の母子の世話をする専門の家政婦「月嫂」も手が足りないほど大忙しだった。一方、縁起が悪いとされている羊年だった09年は、吉林省や上海などで、大学入試の申込者が顕著に減少した。
黄教授は、「『龍』とは一体なんなのか。さまざまな説があり、確定するのは難しい。一方、『羊』は中華民族のトーテムで、歴史的にも確かな根拠がある。羊文化は漢字の中に秘められており、中国の歴史の流れにも潜んでいる。長い歴史をもち、それに終わりはなく、我々の文化の本質・特徴を代表している」と指摘。
「『黄河文明』が生み出した儀礼・礼式の国やその特徴を本当の意味で代表できるイメージ像は、帝王や皇帝の権力の象徴であるかのように、凶暴で牙をむき出している『龍』ではなく、道?の象徴で、やさしく親しみやすいイメージの『羊』だ」と主張している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月28日