台湾、小さな街のアトリエの壁絵が話題に
台湾紙「聯合報」の報道によると、中国台湾苗栗県後龍鎮(こうりゅうちん)に住む蒋さん(26)は昨年、2カ月かけて実家の外壁に、17世紀にオランダで活躍した画家・ヨハネス・フェルメールやチェコスロバキアの画家・アルフォンス・ミュシャの作品を模倣して書いた。さらに、高速鉄道(中国版新幹線)や台湾鉄道など、同地のシンボルとなるものを描いた後龍鎮版「清明上河図(せいめいじょうがず)」(中国北宋(960-1127年)の都・開封の都城内外のにぎわいを描いた画巻)も作成。美しく完成度の高い蒋さんの作品に、多くの人がカメラを向け、「うちの家の壁にも書いてほしい」と大絶賛しているという。中国新聞網が報じた。
蒋さんは高雄師範大学の美術学部を卒業して昨年、実家がある後龍鎮に戻り、アトリエを開いた。蒋さんによると、「アトリエの内装をしていた時に、近くの高速鉄道(中国版新幹線)が花火大会を企画していた。その時、この街の芸術ムードを高めるため、自分の家の壁に絵を書くことを思いついた。その機会に乗っかり、アトリエの知名度も上がればと思い、電話番号も書いておいた」という。
「朝から晩まで、まる2カ月かかった。本当にたいへんだった。当時は熱い8月で、作業を急ぐために、動きやすい服に麦わら帽子という格好で、ほとんどずっと壁に向かって絵を書いていた」。蒋さんは片側の壁にヨハネス・フェルメールの作品、もう片方にアルフォンス・ミュシャの作品を模倣して書いた。また、アトリエの雰囲気に合わせて、絵の中の人物や色合いを調整し、オリジナル感を出している。
蒋さんはさらに、壁の真ん中に後龍鎮版「清明上河図」を描いた。同絵の中には古代の船舶だけでなく、高速鉄道やその「紅橋」、台湾鉄道の列車など同地のシンボルを描き、過去と現代を融合。また花火大会と調和させ、橋の上でペンライトを売る露店や見物客なども描いている。
2カ月かけて完成させたこの傑作を、「多くの人がカメラに収め、自分の家の壁にも絵を書いてほしいという人もいる」と蒋さん。中にはアーチ型の画作を見て「ここはモスク?」と駆け寄ってくる人までいるとか。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年3月5日