中国の安全には10.7%の軍事費増加が必要だ
中国の2013年度国防予算は10.7%増加の7202億元(約1157億ドル)となった。増加幅は昨年の11.2%より低いが、二桁を維持した。他のいくつかの大国の2013年度国防予算を見ると、米国は6330億ドル、日本は約522億ドル、インドは約374億5000万ドル、ロシアは約677億ドルとなっている。(環球時報社説)
中国はGDPで世界2位、軍事費でも世界2位なのであり、これは大騒ぎするに値しない。西側と周辺の数少ない国々はこれに対して批判的だが、こうした不平はすでに国際政治において常態化したバブルである。中国軍の近代化は国際社会がみな予期していたことであり、そのスピードは中国全体の近代化とほぼ見合ったものだ。
1157億ドルという中国の軍事費が多いのか少ないのかは何とも言えない。重要なのはどの国と比べるか、そして中国が安全保障上どのような課題や潜在的脅威に直面しているかだ。
中国の戦略・安保情勢は混迷とまでは言えないが、不確定性が多い。中国の安全保障にとって潜在的危険となっているのが日本やフィリピンといった周辺国だけでないのは明らかで、われわれはその背後に米国が立っているのを常に感じている。だが中国の軍事費増加が米国に対抗するためということもあり得ない。もしそうならまずいことになる。少なくとも今後数十年間は、いくら軍事費を増加しても米国と衝突する力は中国にはないからだ。
それでは、中国がより容易に外の世界と平和的に共存できるようにするには、おとなしく低軍事費国になった方がいいのか、それとも高軍事費国になった方がいいのか。高すぎるのも低すぎるのもだめだろう。世界には大国が国防を強大化せずともよいという前例もノウハウもない。中国がこのリスクを冒すわけにはいかない。だが軍国主義の道を歩み、いたる所で威圧的に振舞えば、自らをより大きなリスクにさらすことになる。
最も堅実な方法は軍事力の伸びと総合国力の伸びを協調させ、軍事力の規模と発展のスピードを外の世界の予期とほぼ一致させることだ。現在、中国の軍事費の増加幅はこの枠組みを突破しておらず、外の世界はこれに適応している。二桁の軍事費増加はパニックを引き起してはいない。このためわれわれは簡単に二桁の増加から退くわけにはいかない。
軍事力の協調的な伸びを維持すれば中国は最も安全であり、われわれの新たな利益を守ることができる。軍事力の伸びが外国に与える刺激は突出したものとは言えず、世界のパワー構造の変化は漸進性を維持することができる。中国と外国との関係は全面的、総合的なものとなり、軍事的比較は日常では見えない位置に置かれる。