中国、代理出産の合法化に向け法律整備へ
中国では、違法な人口受精を実施している病院や代理出産の闇市が問題となっているのを背景に、衛生部(衛生省)は11日、「代理出産」について専門家から意見を募ったことを明らかにした。専門家は、代理出産の関連の法律・法規が制定・公表されれば、合法的な代理出産が現実的になるとみている。京華時報が報じた。
■代理出産合法化まで最低5年必要
現在、中国の出産適齢期の夫婦のうち、7%が不妊症であるとみられている。北京大学第三医院の院長を務める喬傑・生殖医学センター主任は、「衛生省が2001年に公布した、補助生殖技術の法律・法規は現在も整備が進められているが、不備もまだたくさんある。例えば、代理出産に関しては、代理母の安全や法律の問題、生まれて来る子供の引き取り問題などに不備がある」と指摘。「衛生省は既に専門家から広く意見を集めた」としながらも、「関連の法律・法規の整備がさらに必要で、この過程はスムーズに進んでも、代理出産を合法的に展開するにはまだ5-10年かかるだろう」と、おている。
さらに、「中国の今の法律・法規では、代理出産を実施できない。なぜなら、代理出産は複雑な社会問題だから。そのため、まず法律・法規を整備しなければならない」と指摘した。
■国外では代理母が実の母と規定
英国や米国の一部の州、インド、マレーシアなどでは現在、子宮がないなど身体的な問題を抱える女性だけを対象に、法律で代理出産が認められている。一方、中国では、既に多くの人が密かに代理出産を行っているものの、法律ではまだ認められていない。そのため、依頼者側も代理母も権益にかかわる保障を得ることができない。さらに、喬主任は、「実際には、不妊患者のうち、代理出産の技術を必要としているのはわずか1%にも満たない。高齢の女性が代理出産を行うのは、絶対に間違っている」と警笛を鳴らす。
代理出産が合法である国の法律は、代理母は生まれてくる子供の実の母親で、精子や卵子を提供する男女はその養父養母と規定し、代理出産合意書のほかに、養子合意書にも署名しなければならない。また、妊娠の過程で代理母に合併症が発生したり、乳児に先天性疾患が発生したりした場合、いずれも法律に基づく保障を得ることができる。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年3月13日