イノベーション能力強化し世界の工場から脱するには
中国は3つの項目で世界1位の座に着いている。現役と育成中のエンジニアの数で世界一、2010年の学術論文データベース「サイエンス・サイテーション・インテックス」(SCI)に収録された科学技術論文本数で世界一、2011年に米国と日本を抜き特許申請件数で世界一、の3つだ。「新華網」が伝えた。
だがこの3つのすばらしい世界一を獲得しても、中国の自主イノベーション能力が相対的に弱いという状況は変わらず、世界の産業配置の中で、中国はまだしばらく「世界の工場」から脱出できそうにないとみられる。原因はどこにあるのだろうか。中国人民政治協商会議(全国政協)の委員を務める上海交通大学党委員会の馬徳秀書記は3つの「連携のまずさ」を挙げる。
一つ目は科学技術と教育の連携のまずさだ。中国のエンジニア数は多いが、世界経済フォーラムがこのほど発表した「2012-2013年グローバル競争力報告」によると、科学者・エンジニアの有用性についての指標で中国は46位にとどまった。同報告の予測によると、米国では工学を専攻した卒業生の81%がすぐに実際の任務に就くことができるが、インドは25%、中国はわずか10%だという。
二つ目は科学技術と経済の連携のまずさだ。先進国では科学技術の進歩の経済成長に対する貢献度は70%から80%に達するが、中国は31.6%だ。2020年に60%に達すると予測されるが、それでも先進国とは開きがある。中国の科学技術論文の本数は多いが、被引用回数で上位1%に入る論文の本数では世界6位だ。特許件数は多いが、全体的な転化率は20%以下、産業化率は5%以下だ。
三つ目は学科間の連携のまずさだ。長年にわたり、中国は学科の知識システムに基づき、高校では文系と理系を分け、大学では細かい専門に分け、学科の間に「決して交わることのない壁」を作ってきた。多くのクロスオーバー学科の人材、プロジェクト、イノベーションチームなどを評価しようとしても帰属的がなく、現代科学のフロンティア分野に向けたイノベーションのエネルギーと活力がそがれている。