「定年の漸進的引き上げ」の解説（１）多層的意味

　第18期三中全会は「定年の漸進的引き上げ政策を研究、策定する」方針を決定した。胡暁義・人的資源社会保障部副部長（次官）はこのほど新華社の取材に、定年の漸進的引き上げは中国の実情に沿ったものだと指摘した。新華網が伝えた。

■「漸進的」には多層的意味

　胡氏によると、中国の労働力需給と高齢化の進行程度など経済・社会発展要素を総合的に分析し、各国の経験を参考にし、各層の人々の定年の現状と訴えを十分に考慮し、目標の明確化を前提に、定年の漸進的引き上げを行うことで、政策調整前後の平穏な移行を確保するとともに、就業状況への過度の影響を回避することができる。

　胡氏は「三中全会の決定の精神に対するわれわれの一応の学習と理解によれば、定年の『漸進的』引き上げには多層的な意味がある」として、次の4つを挙げた

　（１）一定の準備期間を置く。今年発表して来年実施するのではなく、影響を受ける人々を中心に市民に必要な準備期間を与える。

　（２）段階的に進める。例えば定年の最も低い人々、人的資源としての代替を見つけるのが困難な人々から引き上げを開始し、段階的に各層に拡大する。

　（３）少しずつ進める。例えば毎年数カ月ずつ引き上げ、比較的長い時間をかけてスムーズな移行を実現する。

　（４）関連措置も同時に進める。定年を引き上げると同時に、退職の前倒しを厳しく規制し、年金を長く納付して多く受給するインセンティブ制度を一段と強化し、産業構造を調整して、中高年に適した、青年と仕事の機会を奪い合うこともない仕事をより多く開発し、中高年対象の技能訓練を強化するとともに、中高年対象の就業支援策などを研究して、対象となる人々への不利な影響を最大限抑える。（編集NA）

　「人民網日本語版」2013年12月11日