中国は世界経済の「けん引役」にはなれない (2)
▽中国を誇大評価する裏には別の目的が
中国国際経済交流センター情報部の徐洪才副部長は取材に答え、「世界経済が不景気の今、中国に希望を託す気持ちは理解できる。中国の果たす役割は農村の都市化にある。中国を代表とする新興国は、大量の労働力が農村から都市に移転するため、この期間に投資・消費が必然的に増える。この過程において、先進国の資金と技術が大量に必要となる。これは中国のチャンスであり、世界のチャンスでもある。しかし、世界経済の成長を完全に中国のけん引に頼るのは不可能だ。中国の役割を誇大評価する裏には別の目的がある」と指摘した。
徐副部長は、「世界金融危機が発生した時、中国は率先して4兆元を投じ、世界経済に大きく貢献した。しかし今、中国経済は適度に減速しなければならず、経済の質と効率、構造転換の方式に注目しなければならない。西側諸国は中国を持ち上げて多くの投資を得ようとしている。彼らにとっては利益になるが、これは中国の焦点を誤ったほうに向かわせる。我々は高投資・高消費・大量の通貨投入を再度行ってはならず、中国の持続可能な発展を犠牲にしてまでいわゆる『けん引役』を引き受けてはならない。中国に再度4兆元の投資を望むのは非現実的だ」と分析する。
またある専門家は、「国際社会は中国をおだてて、より多くの責任を負わせようとしている(国際公共財の供給、人民元のさらなる切り上げなど)。中国が世界経済の回復にもっと貢献を果たすよう要求しているのだ」と語る。