メタンハイドレート、商業化までの道程は (3)
■中国は研究で後れをとっているが現在加速中
メタンハイドレートの開発はまだ科学調査のレベルにある。では商業化までには一体どのくらいかかるのだろうか?2020年前後に陸上の凍土地帯で商業的開発を実現し、2030-2050年に海底の商業開発実現の見通し、というのが業界の一般的な見方だ。
先進国と比べると中国はメタンハイドレートの開発・利用の「スタート」段階で大きく後れをとっている。
「米国や日本と比べると、中国のメタンハイドレート研究は5-6年遅れている」と中国科学院広州エネルギー研究所の李小森研究員は指摘する。中国は1999年に海洋メタンハイドレートの具体的調査・研究を開始し、2007年5月にはサンプル採取に成功した。
21世紀に入ると調査・研究を加速。科学者は中国の南中国海北部の神狐海域がメタンハイドレートの豊富なエリアで、予測埋蔵量が現在の陸上石油、天然ガス資源総量の半分に相当する約194億立方メートルに達することを発見した。2008年に青海省祁連山南部の永久凍土帯で発見されたメタンハイドレートも相当な埋蔵量だ。
中国科学院エネルギー分野戦略研究チームの報告『2050年までの中国のエネルギー科学技術発展ロードマップ』は中国のメタンハイドレート研究・開発のロードマップについて「2008年から2020年に、中国海域のメタンハイドレートの探査・評価および採取技術など前期準備作業を完了。2021年から2035年に、海洋での商業化試験生産。2036年から2050年に海洋での大規模な商業生産」と説明している。
国土資源部広州海洋地質調査局からこのほど、また良いニュースが伝えられた。中国が「メタンハイドレート探査技術開発」プロジェクトを始動したのだ。プロジェクトの首席専門家を務める広州海洋地質調査局の王宏斌チーフエンジニアによると、プロジェクトはすでに国家863計画重点プロジェクトに組み込まれ、今年から2016年まで実施されるという。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年3月26日