ウォール街をうち負かした「中国のおばさんパワー」 (2)
ゴールドマンサックスは先月24日、しばらく空売りをやめることを明らかにした。ある人は、ゴールドマンサックスは金のことはよく知っていたが、市場を席巻する中国人パワーのことはまったくわかっていなかったと評する。
中央財経大学金融学院の郭田勇教授は、ゴールドマンサックスの方向転換は中国経済を改めてじっくりみようとしているからだと話す。
▽「中国のおばさんパワー」にほかの選択肢なし
郭教授の分析によると、中国人は金を非常に強く好み、国際市場での金価格が暴落すれば、中国民間の金購入パワーは非常に大きくなり、国際市場の空売り勢力と対峙するようになる。また中国経済はある程度減速するとみられるが、ゴールドマンサックスはさまざまな要因をはかりに掛け、国際資本が予測するほどひどいことにはならないとの見方を示すという。
だが郭教授は次のような見方も示す。数百万元を出して金のネックレスを100本購入する中国人投資家の間にも閉塞感が広がっている。中国人にも金以外の選択肢はないのだ。
現在の金価格について中国米国商会のクリスチャン・ミュルク会長にたずねたところ、金価格は心理的な期待と密接な関連があるが、米国人の投資習慣には金を資産価値を維持する上でプラスになる投資商品だとする認識がない。米国の株の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏も、金が現金の流れを生み出すことはなく、投資価値がないとの見方を示す。金・ドル本位制のブレトン・ウッズ体制が崩壊した後、金は通貨としての性質を失い、以上のような見方を支えてきたが、各国の中央銀行の金備蓄は依然として触れてはならない最低ラインとされており、破産が近いとされるキプロスですら金だけは死守しようと努力を重ねている。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年5月2日