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中国のM2が100兆元台に、インフレの懸念は? (2)

 ◆中央銀行、貨幣超過発行はなし

 M2残高がこれほど膨れあがっているのは、政府が金融危機に対応する際に貨幣を超過発行したためだとする観点がある。中央銀行が大量の貨幣を発行し、M2の急増により経済の高度成長を刺激したというのだ。それでは、事実はその通りなのだろうか?

 連氏は、「M2の急増の直接的な原因は、信用貸付の急増だ。マネタリー・バンキングの原理によると、信用貸付は数倍の貨幣を創造する機能を持つ。例えて言うならば、A氏が100万元を銀行に預け、銀行が預金準備金の支払後に残された75万元をB氏に貸した場合、B氏は貸付獲得後にすぐさま現金を引き出すことはなく、銀行に預け続ける。その場合、当初100万元だった貨幣が175万元の貨幣供給量に変わる。このような循環の繰り返しがあるため、貸付を行う企業がある限り、最終的に当初の金額が数倍増になる」と例えた。

 中国はその他の融資手段が発達しておらず、信用貸付の需要が常に旺盛だ。銀行は十分な資金があれば直ぐに貸し出すことが可能なため、この貨幣を数倍創出する機能が働き続け、M2残高が膨張している。連氏は、「M2残高の増加の根本的な原動力は、信用貸付の需要だ。この需要がなければ、M2がなんの理由もなく膨張することはない。そのためM2は中央銀行が適当に発行したものではなく、中央銀行がいわゆる貨幣の長期発行を主導したこともない」と指摘した。

 信用貸付の急増の他に、外貨買取専用資金もまたM2の拡大の主な推進力になっている。

 いわゆる外貨買取専用資金とは、中央銀行が外貨を購入し準備高を形成する際に使用する、同等の価値の人民元を指す。中国社会科学院金融研究所の王松奇副所長は、「長年の国際収支ダブル黒字の条件下、中央銀行は外貨買取行為により、銀行システムに毎年巨額の貨幣を注入せざるを得ない」と指摘した。中国の外貨準備高は2012年末時点で3兆3100億ドルに達した。つまり100兆元余りのM2のうち、約20兆元が国際収支の不均衡により得られていることになる。

 その他にも、中国の市場化改革の推進の中で、かつて市場に認可されていなかった資産(企業の無形資産、土地、不動産、骨董品など)が市場に認可され、取引されている。これらの資産の貨幣化の過程において、大量の貨幣の取引が必要になり、M2残高の需要を押し上げることになっている。

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