低迷叫ぶ声とホットマネーが中国で「競演」 (2)
▽撤退を口にしつつ、密かに投資して利益を出す者も
現在、市場には2つの興味深い光景がみられる。一つはホットマネーが引き続き中国に流入している光景。もう一つは中国の低迷を叫ぶ声が間断なく聞こえてくる光景だ。
ある報道によると、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やバンクオブアメリカ・メリルリンチ、JPモルガンチェースを含む国際金融機関15機関がこのほど、中国の経済成長率予測を下方修正した。米国最大の金融企業のJPモルガンチェースはこのほど研究報告を発表し、顧客に中国株を売却するようアドバイスした。世界トップクラスの投資銀行であるゴールドマン・サックスは保有する中国工商銀行の株式を売却し、11億ドルを現金化した。また一部の国際機関は中国の銀行業の業績やシャドーバンキング(影の銀行)に対する監督管理について、いまなお疑問の声を上げ続け、中国経済の鈍化や地方レベルの債務の償還問題に対する懸念を表明している。
実際のところ、中国経済に問題が存在することは確かだが、一部の機関がいうほど深刻な問題ではない。現在の中国経済は発展モデル転換と経済構造調整の時期にあり、成長ペースの鈍化は成長の質をよりよく向上させるためであって、深刻な問題ではない。中国経済が低迷しているとする海外の金融機関は虫眼鏡で問題を拡大して見ているのであり、中国経済は基本的に順調であるという事実を無視している。こうしたやり方をするのは、無知でなければ、あるいは別のたくらみがあるからだ。
一部の海外金融機関は口では中国経済は「ない」といいながら、実際には「ある」とみて、投資などを行っている。こうした裏表のある態度の背後にある動機と目的に気を付けなければいけない。真に中国経済に関心があるのか、混乱に乗じて利益を出そうとしているのかと注意を促す関係者がいる。同関係者の指摘によると、ホットマネーはどれも利益を出すのが狙いであり、一部の海外金融機関が中国の低迷という煙幕を張って、そこから利益を出す可能性を排除できないという。