中国の入学消費シーズン 貧富の差が浮き彫りに (3)
大学生の消費額は毎年高騰しているが、これには経済発展と物価上昇など、「水位が高くなれば船も高くなる」という大背景がある。しかし高級でおしゃれなグッズを購入し、節制もなく飲み会やパーティーを開き、恋愛のために過度に出費するといった現象が普遍化しており、キャンパス内の見栄を目的とした消費心理に対しては警戒が必要だ。
キャンパス内で蔓延している無理な出費の風潮には、より懸念すべきリスクが存在する。毎年の入学シーズン、社会が「毎年高騰する」入学費に注目する中、貧困層の新入生は奨学金を借りて自らの大学時代をスタートしている。同じように大学に入学しながらも、一部の学生の消費観が見栄重視を強めている。キャンパス内の貧富の差も、より深刻化している。
中国青年報は今年7月22日と23日に2日連続で、「新たなキャンパス分裂」を見出しとする長編の記事を掲載し、「この10年間に渡り、大学内の貧富の差がもたらすキャンパス分裂の現象が深刻になっている」と指摘した。この記事の中で、今世紀初頭に大学を卒業した若い教師は、「私たちの頃は、豊かな学生の生活費は毎月400元、貧しい学生は200−300元であった」と振り返った。今や前者はBMWで通学しているが、一方の後者は200元が600元に上がっただけだ。
21世紀教育研究院の熊丙奇副院長は、「社会的な貧富の差は前の世代から次の世代へと伝わり、大学内に反映される。これは避けることの出来ない客観的な現実だ。いかに大学生の富に対する観点を養うか、これが問題の中で重要になってくる。大学時代全体において、学生の家庭の経済条件がどうであれ、保護者と学校は学生に正確な富の観点を伝えるべきだ。貧困層の学生は劣等感を持たず、高所得層の学生は富をひけらかさず、見栄を張らず、自立を彼らの共通する目標にしなければならない」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年9月3日