「十二五」の中期評価発表　概ね順調も環境で遅れ (3)

　社会保障体系では、新型農村社会養老保険と都市住民社会養老保険の全面カバーを実現した。全国民が対象となる基本医療保険体系のひな形もでき、都市と農村の両方を含む3種の基本医療保険（都市の労働者と住民、農村）への参加率は3.4ポイント高まり、5カ年計画の目標を早くも達成した。都市と農村をカバーする最低生活保障制度も整えられ、保障の水準はますます高まった。新たな国家貧困支援基準が実施され、貧困支援事業が引き続き強化された。

　▽行政審査認可535件を廃止・調整・譲渡

　中国政府の機構改革と機能転換が進められ、535件にのぼる行政審査認可が廃止・調整・譲渡された。

　2012年の中国の貨物貿易総額は3.87兆ドルに達し、世界2位を保った。サービス貿易総額は4706億ドルに達し、世界3位となった。今年6月末までに、非金融分野の外資直接投資は累計2897億ドル、対外直接投資は累計1919億ドルにのぼった。

　改革開放の進展については、▽鉄道産業における政府と企業の分離を実現した、▽移転支払いや予算管理、税収制度の改革が進んだ、▽天然ガスなどの資源の価格形成メカニズムの改革が進んだ、▽為替や金利の制度改革が進んだ、▽対外開放の範囲と深度が増し、全方向的な地域開放の条件が整った――と評価した。また社会主義政治文明の建設や国防・軍隊の近代化、香港・澳門（マカオ）の繁栄と安定の維持など、5カ年計画で示されたその他の重大戦略任務の実施も順調に進んでいる。

　▽省エネ・環境保護で遅れ

　第12次5カ年計画は全体として順調に進展しているが、省エネ・環境保護の目標実現では遅れが出ている。

　計画で示された主要目標と重点任務、重大プロジェクトは順調に進展している。24の主要指標のほとんどは所期の進展を実現し、いくつかの指標は早くも達成された（表1参照）。だが経済成長が予想よりも速く、産業構造の改善とグレードアップが遅れ、エネルギー構造の改善と調整が進まず、一部の企業の排出削減が足りないことなどから、単位GDP当たりのエネルギー消費量や二酸化炭素排出量、エネルギー消費構造、窒素酸化物排出量などの省エネ・環境保護分野の4つの拘束性指標は実現が遅れている。（編集MA）

　「人民網日本語版」2013年12月27日