「中国式の住宅購入」は不合理・不安定な価格の反映 (2)
デベロッパーが立地や価格上昇の潜在力といったコンセプトを祭り上げたことにより、購入者はわれ先にと不動産市場に押し寄せるようになった。これらのコンセプトは多くの場合事実となって現れたため、購入者は購入に当たって立地や価格上昇の潜在力を真っ先に考慮し、物件の品質や快適さを後回しにするようになった。また購入に一家を挙げて取り組み、所得レベルを上回る不動産を購入するようになった。実際のところ、購入者が購入に際して取るこうした態度には、2つの重要な誘因がある。一つは不動産価格設定メカニズムがほぼ完全にデベロッパーの手に委ねられていることだ。同じ立地でも、後に売り出された物件の方が先に売り出された物件よりも高額になることが多く、「立地がすべて」が次第に鉄則となっていった。もう一つは不動産価格が不安定で、上昇することはあっても低下することはあまりないということだ。価格が理性的とはいえない上昇を遂げる過程の中で、不動産が果たす第一の機能が居住ではなく投資となり、投機となることさえある。よって中国式の不動産購入とは、実際のところは国民の心に映った価格の不合理さや不安定さという現実なのだ。
中国式の住宅購入は「購入の重視、賃貸の軽視」や不動産業者が一回での取引を好むといった中国的な現象を劇化させており、市場の需給構造の歪みを一層後押ししている。また中国式の住宅購入の心理とデベロッパーの営業販売戦略が重なり合うことにより、不動産価格の調整が一層難しくなっている。中国式の住宅購入が続けば、不動産購入は生活の改善や幸福感の上昇といった本来の主旨からどんどんかけ離れることになる。中国式の住宅購入という困った局面を打破するには、結局のところ価格調整の取り組みを強化し、合理的な価格設定メカニズムをうち立てるしかない。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年11月19日