「中国式の住宅購入」は不合理・不安定な価格の反映
あるメディアがこのほど、中国人の不動産購入にみられる特徴の分析を行い、結論として「中国式の住宅購入」という新しい言葉を生み出した。中国式の住宅購入の特徴は、価格上昇の潜在力と立地を重視する人が、建物の品質や快適さを重視する人よりもはるかに多いという点にある。「京華時報」が伝えた。
「中国式の」という言い方はいささか決めつけに過ぎるとみられるが、「中国式の」と頭につけられた数々の社会現象の中では、中国人の心理や生活ぶりがうかがえるものであり、社会問題が凝縮されたものといえる。
中国式の住宅購入には、中国人が住宅を購入する際の複雑な心理が直截かつ正確に描き出されている。不動産市場でよくみられる買い手市場の現象として、購入に際して価格、値上がりの潜在力、立地という三大要素には全力で関心を払うが、幸福感を高めるはずの住宅の品質や快適さは隅に追いやられるということがある。
別の角度からみると、価格、値上がりの潜在力、立地とは、不動産開発業者が長年にわたり営業販売や価格引き上げで使ってきたおなじみの手ではないだろうか。香港の不動産大手グループ創設者の李嘉誠氏は以前、「不動産の価値を決定する要因は、一に立地、二に立地、三に立地だ」と述べた。大陸部の不動産デベロッパーはこの言葉を金科玉条とし、営業販売や投機的行為を行う際に伝家の宝刀のように引き合いに出してきた。ビジネスの営業販売でコンセプト(概念)をうち立てて注目を集めることはもちろん可能なことだ。だが大陸部デベロッパーの営業販売戦略は、最終的には不動産を購入しようとする中国人に暗示を与えることになり、初めは市場に強制される形で立地を重視していた中国人だが、今では立地重視の考え方が頭の奥深くにまで染みこんでいる。