中国初の「国外委託加工業務」 琿春市がスタート
北国・吉林省琿春市の冬の室外気温は氷点下20-30度に達する。しかし琿春運達針績服装有限公司の紀恵芹董事長は、寒さを感じていない。長春税関に所属する琿春税関はこのほど、同社に対して初の出料加工(中国国外での委託加工)貿易ハンドブックを配布した。同社はアパレル大手・雅戈爾集団などの約9万着のシャツを、海外で加工してから中国市場で販売する予定だ。これは中国にとって初の「国外委託加工業務」だ。科技日報が伝えた。
「国外委託加工業務」とは、国内で受注した中国企業が海外の労働力を利用し、海外加工・国内販売を実施することを指す。税関は海外加工製品の価値増加分のみに課税する。同業務の展開は、税関が国家「長吉図(長春・吉林・図們江)開発開放先導区」戦略発展を支持し、中国ブランドの強化を促進するための重要な措置だ。
琿春市は2012年、衣料品業界の労働力の不足率が約50%(約2500人)に達した。琿春市の支柱産業である衣料品輸出加工は労働力不足に陥っており、企業の発展に支障をきたしている。
いかに難題を解決し、企業の圧力を軽減し収益率を高めるべきか。これは税関の地方経済発展支援の重要な課題となった。各社の聞き取り調査を行ったところ、一部の加工貿易企業は上述した業務の構想を提案した。税関は現行の関連政策と業務管理方式について検討し、最終的に同業務が企業の需要に最も適していると判断した。税関は、当該管理方式に基づき国外から戻ってきた製品から輸出時の生地の価格を差し引いた、価値増加分のみに課税を行う。これは製品価格全体に対して課税するよりも、企業の衣料品加工のコストを大幅に引き下げることができる。
同業務の展開は、地域の労働力不足という経済発展の難題を解決し、さらに地方の産業モデルチェンジ・グレードアップを促し、加工貿易の発展を推進し、中国企業の海外進出を支えることが可能だ。現段階での推算によると、すでに同業務の許可を得た4社は、毎年1500万着(生産額は1億4000万ドル)の完成品を同業務により生産する見通しだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年1月31日