人民元の国際決済機能が強化 世界13位の決済通貨に
中国人民銀行の周小川総裁は13日、人民元資本取引の自由化を段階的に実現する方針を表明した。一部外国メディアは人民元相場が同日2カ月ぶりの高値で引けたことに注目した。香港上海匯豊銀行(HSBC)が11日発表した最新報告「人民元の台頭II」は、人民元は世界で最も急速に台頭する通貨となり、国際金融システムの根本的な再構築が始まったとしている。
■個人の海外での支払いと貿易決済が揃って増加
春節(旧正月、今年は2月10日)連休中に多くの中国人が海外旅行に出かけ、銀聯カードで支払いを行ったことで、人民元も世界各地に広がった。現在世界141カ国・地域で中国の銀聯カードが使える。1回1回の支払いが国際決済だ。中国国民の「海外進出」に伴い、人民元の使用範囲、受け入れ範囲も広がっている。
個人の海外での支払いが人民元の世界ネットワークを拡大しているとするなら、人民元建て貿易決済は人民元国際化の基礎である。スタンダード・チャータード銀行が7日発表した統計によると、同行の人民元グローバル化指数は1月に前月比8.2%上昇した。同行は指数を押し上げた最大の要因として、香港、シンガポール、ロンドンの人民元建て貿易決済が過去最高を記録したことなど貿易決済その他国際決済を挙げている。このうちシンガポールでの取引による人民元建て決済は前月比30%、ロンドンは40%増加した。
国際銀行間通信協会(SWIFT)が2月27日発表した統計を見ると、人民元は現在国際決済通貨への階段を上っている。人民元はすでに1月にロシア・ルーブルを抜いて世界13位の決済通貨となった。SWIFTによると2012年1月から2013年1月の間に人民元決済額は171%増加。今年1月には24%増加し、世界において過去最大の0.63%を占めるにいたった。