10年物日本国債の利回りは「ジェットコースター」
日本の中央銀行・日本銀行が行った大規模な金融緩和政策が、日本の債券市場に強烈な衝撃を与えている。過去1カ月あまりの間に、10年物日本国債の利回りはまるでジェットコースターのように乱高下し、4月に過去最低記録を更新したかと思うと急上昇し、5月に入ると上昇幅が40%を超えた。こうした動きは日銀の意図とは正反対のもので、金融業界では政府のうち出した量的緩和政策に疑問の声が上がっている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
▽落ち着きを失った日本の債券市場
あるデータによると、10年物日本国債の利回りは今年4月5日に過去最低の0.315%を記録し、日銀の黒田東彦総裁が予想を上回る規模の量的緩和をうち出すと、その日のうちに利回りはほぼ2倍に上昇した。
特に5月以降、金利の目安となる10年物国債の上昇幅が大きく、月初めの0.60%前後から最近は一気に0.87%まで跳ね上がり、上昇幅は40%以上に達した。23日には一時的に1%を超えた。
最近の利回りの大幅上昇について、多くの業界関係者は、利回りの急上昇は日本経済がまさに復興に向かっていることの現れだ、との見方を示す。
中国民生銀行金融市場部の李志強チーフアナリストによると、昨年末以来、円安が大幅に進み、日本の製造業に対して積極的な振興作用をもたらしている。最近の日銀の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)からも、大・中規模製造企業の景気が大幅に上向いていることがうかがえる。このことは最近の日本国債の利回り上昇の深層レベルでの原因とも考えられる。
またデータからは日本が現在なおデフレの状態にあることがわかるが、ある業界関係者は、日本国債の利回りの急上昇はインフレへの期待が徐々に高まっていることを示すものだ、と指摘する。