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3Dプリンタ 中国が国産化を加速

 3Dプリンタは、正しい材料を選択しさえすれば、まるでアラジンの魔法のランプのように、衣食住などに関わる全ての道具を作り出すことができる。注入成形では作れない網状のチタン合金の部品も成形できるし、シリコン型を作らなくてもセラミッククラウン(歯科の被せ物)を直接出力できる。形が複雑かつ不規則的で測量できないエンジン流路も直接出力できる。経済日報が伝えた。

 記者は6月中旬、華中科技大学高速製造センターを取材した。担当者の周鋼博士は3Dプリンタで出力した数十点の金属・非金属製品を見せてくれた。その中には航空機に使用されるチタン合金部品、ステンレス、コバルトクロム合金を使用した歯、円明園十二生肖獣首銅像の犬の頭部をかたどった金属彫像、縮小版の兵馬俑、鉄注入に用いる中子、テレビのリモコン、工芸品、網状の衣料品、さまざまな複雑構造の模型などがあった。「スキャンし、構造を描き出せれば、何でも出力が可能だ」。

 同センターは国家重点実験室に指定されており、西安交通大学、清華大学の科学研究部門と共に、中国3Dプリンタ技術の最先端を突き進んでいる。

 世界3Dプリンタの権威あるレポート「Wohlers Report」は華中科技大学について、「3Dプリンタ業界で目覚ましい活躍を見せており、すでに複数の知的財産権を持っている。同チームは設備や加工ソフトなどの研究開発の面で、世界で最高の実力を持つチームの一つだ」と評価した。華中科技大学の3Dプリンタの国産化率は60%に達しているが、設備のうち最も高額なレーザーは輸入製品だ。「武漢のレーザー産業は発達しているが、小・大パワーのレーザーは米国製品に劣っている」。

 華中科技大学傘下の武漢瑞克激光公司は、長年に渡り民間用小パワーレーザーの開発に取り組んでいる、中国初の産業化された3Dプリンタレーザー生産企業だ。同社はすでに3Dプリンタ製造の条件を満たしており、その価格は輸入製品より4割ほど安価だ。華中科技大学の3Dプリンタの国産化率は、すぐに8割以上に達するだろう。

 周氏は、「華中科技大学は1991年より高速成型の研究に着手しており、米国やEUと足並みを揃えている」と語った。世界の3Dプリンタの原理はいずれも積層造形で、中国国内では華中科技大学、西安交通大学、清華大学が代表的な開発部門となっており、技術面でそれぞれ強みを持っている。

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