上海自由貿易試験区 個人の海外投資を開放へ
中国人民銀行(中央銀行)が2日に発表した「金融による中国(上海)自由貿易試験区建設の支援に関する意見」では、自由貿易区内の企業および個人の国境を越えた取引に一層の便宜を提供することがうち出されている。規定に基づき、自由貿易区内で就業し、条件を満たした個人が、証券投資を含む各種の海外投資を行うことが認められる。また自由貿易区にある外資系企業が、上海地域の証券取引所や先物取引所で投資や取引を行うことが認められる。「新京報」が伝えた。
▽自由貿易区の住民はQDIIの制限を受けない
同意見は30条からなり、内容には資本項目の為替両替プロセスの推進、人民元の海外での利用の拡大、金利の市場化の推進、外国為替管理の改革の深化などが含まれる。
同意見の最大の注目点は資本項目の開放にある。同意見の規定によると、自由貿易区の居住者は人民元・外貨建て自由貿易用口座を開設して口座別の決済管理を実現し、条件が整えば、口座にある人民元・外貨を自由に両替できるようになる。自由貿易区で就業し、条件を満たした個人は規定に基づいて証券投資を含む各種の海外投資を行うことができる。自由貿易区内の個人商店は業務上の必要性に基づいて海外での経営主体に国境を越えて資金を貸出することができる。、
国家外匯管理局の規定に基づき、中国国民が一年間に両替できる金額は一人当たり5万ドルまでと決まっており、個人の海外での直接投資は認められていない。現在は適格国内機関投資家(QDII)と認められた人しか海外直接投資を行うことはできないが、承認プロセスは相対的に複雑で、時間も長くかかる。興業銀行の魯政委チーフエコノミストによると、同意見の規定は、自由貿易区で個人がQDIIの制限を受けずに投資を行えるということ、個人商店も制限を受けずに海外に貸出できるということを意味する。