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党首討論@ニコ動、さて採点は? 140万人が視聴

 野田佳彦首相(民主党代表)が提案した自民党の安倍晋三総裁との討論が29日、他党の党首らを交える形で実現した。舞台は、安倍氏が強く望んだインターネット番組「ニコニコ動画(ニコ動)」。新世代メディアでの初の「党首対決」を制したのは誰だったのか。

■中継画面、書き込みびっしり

 人気歌手のコンサート会場のようにショーアップされた舞台に、10人の党首。安倍氏との一対一の党首討論を望んだ野田氏と、「ニコ動でなら」と打ち返した安倍氏は、隣り合わせて座った。

 午後8時、東京・六本木にあるニコ動のスタジオ「ニコファーレ」。4台のテレビカメラを使って生中継し、ネットユーザーが書き込んだコメントがリアルタイムで画面に表示されるのが特徴だ。

 「88888(パチパチパチパチパチ)」。安倍氏が持論を述べ始めると、画面に拍手を表すネット用語が書き込まれた。一方の野田氏が語り出すと、「議員の生活が第一」。皮肉や批判の言葉も並んだ。

■野田氏と安倍氏、優勢は?

 ただ、放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんには、野田氏が優勢に見えた。落ち着きがあり、発言に現職の首相としての自信と余裕がうかがえた。「安倍さんは政策的に突っ込みどころが満載だが、出演者は連日、テレビ出演などで顔を合わせる仲間同士。地方興行中のプロレスラーのようで本格的な討論にならなかった」

 ゆえに、最も輝きを放った「MVP」は、「該当者なし」。「米大統領選の政策討論会では、ジェスチャーやギャグの応酬があるが今回はそれがなく、進行も各党を平等に扱うテレビと同じ。ネットゆえの型破りな雰囲気もなかった」

 ニコ動は安倍氏を支持する保守層に受けがいいとされ、安倍氏側からのニコ動での開催の求めに対し、野田氏側は当初、「ネットで心ない誹謗(ひぼう)中傷を平気で書き込んでくるところ」(安住淳・民主党幹事長代行)と難色を示していた。

 日大芸術学部の佐藤綾子教授(パフォーマンス心理学)は安倍氏に軍配を上げた。最初は落ち着きがなかったが、会場で紹介されたネット上の反応に支持の書き込みが多く、持ち直したとみる。「上まぶたを張って話し、目に力強さも感じた。逆に野田さんは分かりづらい横文字表現を使いすぎた」

 ネットユーザーの書き込みが最も盛り上がったのは、野田氏の発言に新党大地の鈴木宗男氏が何度も食い下がった場面。「自民VS.民主のはずだったのに、どうしてこうなった?」とのコメントもあった。

 ニコ動運営会社の親会社、ドワンゴ広報によると、討論会を視聴したのは140万3551人。100万人を超えるのは珍しいという。ただ、アクセスが殺到し、映像が途中から見られなくなったり、音声が途切れたりした。

 政治とメディアを研究する立命館大の奥村信幸教授は有料登録と無料の2通りで視聴した。「無料はすぐに見られなくなった。選挙のための党首討論なのに公共性が守られていない。テレビ並みの視聴環境が必要だったのではないか」と指摘した。一方、野田、安倍両氏の対決については「印象が薄く、優劣はつけづらい。それより、田中康夫さんは理路整然とし、鈴木さんには勢いがあった」。

 また、ニコ動の「ヘビーユーザー」で、映像制作者の金田浩樹さん(41)は、「今回はまったく編集されていない情報を、100万人以上が同時に共有したということに意味がある」と話し、勝者は野田氏でも安倍氏でもなく、番組を企画したドワンゴだと言った。

     ◇

■討論に参加した党首ら(敬称略)

 野田佳彦(民主党)/安倍晋三(自民党)/嘉田由紀子(日本未来の党)/山口那津男(公明党)/志位和夫(共産党)/渡辺喜美(みんなの党)/福島瑞穂(社民党)/鈴木宗男(新党大地)/自見庄三郎(国民新党)/田中康夫(新党日本)

 asahi.com 2012年11月30日

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