トンネル崩落事故、7人不明か 2人けが 山梨の中央道
崩落した笹子トンネル内の様子=NEXCO中日本八王子支社のモニターから |
白煙を上げる中央自動車道上り線の笹子トンネル入り口付近=2日午前9時59分、山梨県甲州市、朝日新聞社ヘリから、山本裕之撮影
救出作業が続く中央自動車道上り線の笹子トンネル出口付近=2日午前11時13分、山梨県大月市、朝日新聞社ヘリから、山本裕之撮影
2日午前8時ごろ、山梨県大月市と甲州市にまたがる中央自動車道上り線の笹子トンネルで崩落事故が起きた。消防庁災害対策室によると、少なくとも2人がけがをし、7人が行方不明とみられるという。東山梨消防本部によると、複数の車が巻き込まれ、火災も発生したが鎮火した模様。県警などが確認を急いでいる。
中日本高速道路によると、笹子トンネルは全長約4.7キロ。崩落は甲州市側から3.2キロ付近で、コンクリート製の厚さ8センチの天井板(縦1.2メートル、横5メートル)が50~60メートルにわたって崩れ落ちたという。
東山梨消防本部によると、中日本高速道路から「笹子トンネル内で天井が崩落し車両が巻き込まれ、火災が発生している」と119番通報があった。同本部などによると、トンネル内は、スプリンクラーが作動して煙が立ちこめ、崩落の危険性もあったことから、一時、現場に消防隊が近づけなかった。現在、中日本高速道路が重機によるがれき除去を検討しているという。
複数の人がトンネル内に車を乗り捨てて徒歩で、甲州市側に出てきた。自力で脱出してきた女性(28)は「レンタカーで6人で乗ってきた。一緒にいたほかの5人がどこにいるか分からない」と話しているという。
中日本高速八王子支社などによると、トンネル内で軽乗用車1台が巻き込まれ、20代から30代の女性2人が大月市や山梨市の病院に搬送されたという。消防によると、このほかに車2台が下敷きになっているという。
中央道は2日午後2時半現在、上りは一宮御坂インターチェンジ(IC)?大月ジャンクション(JCT)間、下りは大月JCT?勝沼IC間で通行止めになっている。
勝沼ICまで歩いて避難してきた嘱託職員の山本勉さん(66)は、家族5人で東京方面に向かっていて、事故を目撃した。山本さんは「突然、左右の天井が崩落してきた。前の車2~3台が巻き込まれ、すぐ前の白い乗用車が出火した」と話した。土ぼこりの中、1時間ほど歩いてトンネルの中から避難してきたという。
asahi.com 2012年12月2日
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