自動車製造は「プラスチック時代」を迎える (2)
◆十分なバッテリー容量
ボディの軽量化は、バッテリーの重量を「相殺」した。BMW i3は8つのバッテリーモジュールを使用し、バッテリーの総重量は250キロに達し、1度の充電で最長160キロを走行できる。統計データによると、世界の一般家庭の90%は、日常的な外出の走行距離が平均45キロのみで、自動車を使用せず放置する時間は1日当たり22時間に達する。クルーガー社長は、「BMW i3のバッテリー容量は、都市部の移動の需要を満たす」と述べた。
バッテリーの航続能力と使用寿命は、EVの最大のボトルネックになっている。ドイツ政府は試行として、ミュンヘン?ライプチヒ間のA9高速道路で、80キロ毎にEV充電スタンドを設置した。長距離旅行の需要があるドライバーに対して、BMWは交通連動プランを提案した。同プランによると、ドライバーは携帯電話により付近でレンタル可能なBMW i3や、その他のBMW製の自動車を検索できる。BMWは同時に、さまざまな新型充電方法の開発に取り組んでいる。例えば電線や電気ケーブルやコネクタを必要としない誘導充電は、バッキングプレート上の電力駆動装置で運転し、エネルギーを電磁波によって補給する。
バッテリーの使用寿命は、気温の変化や充電・放電の反復による影響を受けやすい。BMWによると、BMW i3は寒い冬場でもバッテリーを自動で予熱でき、温度が上がりすぎた場合も冷却材によりバッテリーを冷やせるという。水や空気による温度低下と比べ、この冷却材は冷却効率を最大限に高めることができ、ファンやウォーターポンプといった部品が不要だ。BMWのバッテリー技術者は、「BMW i3のバッテリー寿命は15年間で、自動車と同じ長さだ。またさまざまな状況下でも、バッテリー効率は平均的で安定している」と述べた。