【第129回】商標権の権利侵害に対する行政救済措置 (2)
行政救済の基本的な流れは以下のとおり。
1.権利侵害行為の是非に基づき行政訴訟、受理機関を決定
筆者の経験上、権利侵害が以下の3種類に該当する場合、工商局への訴えが可能。a、商標権利者の登録商標を完全に模倣し明らかに権利侵害があり、商標監督管理部門から最も容易に案件が受理される場合b、商標権利者の登録証標の仕様を含む場合(例:登録証標“SONY”を模倣し、“X-SONY”を使用)c、商標権利者の登録証標を悪意を持って企業の登録商標として使用した場合
模造程度が低いもの、その他一連の便乗行為など間接的な商標権の侵害行為について、工商局は慎重に処理を行い、一般的にはめったに処罰はされない。
具体的な管轄部門について、違法行為発生地地域の工商局が管轄する。(例:違法行為発生地が北京市朝陽区の場合、その管轄部門は北京市朝陽区工商局)。
実務上、権利侵害商品の生産地、輸送地、販売地および備蓄地の工商局が行政保護の中心機関であり、工商局内部には商標課という権利侵害案件の訴えの受理を専門とする責任部門がある。
2.申請人が提出するもの
A.権限の証拠
申請人は商標登録証と登録証明書(国際商標登録の場合、国家商標局が発行する当該国際登録の中国における有効証明が必要)、商標権利者偏向の関連書類およびその他の商標権を所有する証拠を提出。
国外の商標登録者が訴える場合、中国が指定する商標代理機構に代理起訴し、授権委託書の公証と認証が必要。
B.権利侵害の証拠