▽中国米の品質も向上
劉客員研究員は、「中国の農業にとって、日本の農産品がもつ優位性は超えられないものではない」との見方を示す。
劉客員研究員はさらに話を進めて、「中国と日本の米を貿易という観点で考えると、将来は中国米も高級農業生産へ方向を転換するとみられ、今後の日本米の対中輸出の道のりは決して平坦とはいえない。興味深い例を挙げると、さきに日本で『飯炊き仙人』と呼ばれた村嶋孟さんが、中国の東北地域で最もおいしい米を見つけたため、老後を中国で過ごしたいと言っていることだ。ここから、中国の高品質の米が日本米に引けを取らないことがわかる。今後、中国農産品の質が向上するにつれて、日本農産品の優位性は弱まることになる」と説明する。
劉客員研究員の見方では、「現在、中日両国の農産品貿易における最も主要な問題は貿易をめぐる不公平さだ」という。
劉客員研究員は次のように指摘する。「国という観点で考えると、米の輸出は日本が一貫して主張してきたことだ。だが輸入では、日本がこれまでずっと採用してきたのは『輸入割当制』によって農産品の輸入を制限するというやり方だった。日本は今年、TPP交渉で中国産農産品の輸入割当を減らし、その分、米国産農産物の輸入割当を増やした。相対的にみて、中国の日本産農産品に対する輸入の制限は緩く、割当は多い」。
11年に福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が発生すると、日本では消費者の多くが中国、タイ、ベトナムなどから輸入された野菜や穀物を選ぶようになった。だが劉客員研究員は、「日本が中国から輸入した米はすべて割当の範囲内で、価格は相対的に安く、主に酒造など農産品の加工に利用され、市場に出回ることはなかった。国家間の政策や経済貿易の関係を考えると、最も解決が必要なのは日本の米輸入の開放という問題だ」と指摘する。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年6月28日
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