■関係の緊張、動揺は決して珍しい事ではない
米露関係は「新たな歴史的冷え込み」に入り、すでに双方の角逐は特定の地域、特定の戦場に限られず、国際政治版図上の「バタフライ効果」が一層著しくなっており、特定の一者に対する絶対的有利という状態はもう戻ってこないと指摘される。
ロシアの軍事専門家、ウラジーミル・ポポフ少将は雑誌の取材に「ロシアはインド、ブラジル及びアフリカ、中南米の多くの国々と協力を繰り広げている。これにはグローバルで戦略的な考えがあり、政治的、経済的利益をもたらしうる。テロと西側の圧力を前に、米国との争いのみにかまけて、自らの利益をおろそかにすることはできない。ロシアはもっと多くの国々と緊密な関係にあり、これはより効果的なテロ対策、及び米国をトップとする西側の推し進める単独主義への対抗の助けとなる」と指摘した。
ロシア紙「コメルサント」はカーネギー国際平和財団モスクワセンターの専門家、マラシェンコ氏のコメントとして「現在の情勢には再び冷戦へと向かう危険性がある。だが米国との対峙において、ロシアは自らの実力を過大評価する危険性に警戒する必要がある。露米の経済力は大きくかけ離れており、冷戦の失敗を繰り返すべきではない」と報じた。モスクワ大学ルーズベルト記念米国研究基金のログリョフ所長は「露米関係は紆余曲折があるのが常であり、動揺は決して珍しいことではない。露米間の経済・貿易・投資の結びつきは弱いため、両国関係が根本的に改善されることはない」との考えを示した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年10月10日
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