「成功」の定義を180度変える森山みくり
「逃げるは恥だが役に立つ」もコメディ路線であるものの、その設定は比較的現実的で、就職難に苦しんでいる若者の心の叫びを伝えてくれているようだ。新垣結衣が演じるヒロイン・森山みくりは大学で心理学を学び、大学院で臨床心理士の資格を取得したものの、卒業後は仕事がなかなか見つからず、派遣社員になるが、派遣切りに遭ってしまう。そして、父に紹介され、結局家事代行サービスを請け負うことになる。
森山は、ポジティブに毎日を過ごすものの、「社会的な成功」を収めることはできない。現実の社会でも、順調なキャンパスライフを送っていた優等生が卒業後に、社会で大きな壁にぶち当たるというのは多々あることだ。他人は「がんばれ」というだけで、本当の意味で気遣ってくれる人がいない時にこのドラマを見ると、本当に癒される。「逃げるは恥だが役に立つ」というのは本当なのだ。同ドラマでは、俳優・星野源演じる津崎平匡の「後ろ向きな選択だっていいじゃないか。 恥ずかしい逃げ方だったとしても、生き抜くことの方が大切」という名セリフがある。実際には、このドラマは典型的な「癒し系」路線なのだ。現実の社会において、脇に追いやられてしまったとしても、視点を変えれば、自由に楽しく生きることができるものだ。
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