日本の作家・村上春樹氏の新作「騎士団長殺し」が2月24日に発売された。書中に南京大虐殺があったことを明確に認める部分があり、議論を呼んでいる。侵華日軍南京大虐殺遭難同胞記念館(南京大虐殺記念館)は2日に公式ブログで、歴史に直面する村上氏の姿勢を評価した。新華日報が伝えた。
この作品は主人公の「私」の口を借りて歴史的事件の南京大虐殺を次のように語る。
「そうです。いわゆる南京虐殺事件です。日本軍が激しい戦闘の末に南京市内を占拠し、そこで大量の殺人がおこなわれました。戦闘に関連した殺人があり、戦闘が終わったあとの殺人がありました。日本軍には捕虜を管理する余裕がなかったので、降伏した兵隊や市民の大方を殺害してしまいました。正確に何人が殺害されたか、細部については歴史学者のあいだにも異論がありますが、とにかくおびただしい数の市民が戦闘の巻き添えになって殺されたことは、打ち消しがたい事実です。中国人死者の数を四十万人というものもいれば、十万人というものもいます。しかし四十万人と十万人の違いはいったいどこにあるのでしょう?」
村上氏はこの部分に続けて、「もちろん私にはそんなことはわからない」と記す。
村上氏は日本国内で強い影響力をもつ作家であり、その新作でこうした描写がなされたことは議論を巻き起こし、過激な日本のネットユーザーの中には、「中国人の支持を得てノーベル賞をもらおうとしている」と言う人まで出てきた。この作品はまだ中国で発売されていないが、歴史にまっすぐに向き合う村上氏の姿勢は、批判よりも賛同の声をより多く集めている。
南京大虐殺記念館はこのほど公式ブログで、「村上氏の言うように、10万人と40万人にどんな違いがあるだろうか!東京裁判では『20数万人以上が虐殺された』とされ、これには遺体が確認されていない犠牲者は含まれていない。南京軍事法廷では『犠牲者は30万人以上』とされた。80年の時が流れたが、日本は軍国主義思想に対する総括と反省が不徹底だ」と述べた。
実際、村上氏が歴史問題について自身の見方を示したのはこれが初めてではない。これまで何度も、日本には歴史を直視する勇気が欠けている、第二次世界大戦で犯した侵略行為に対して果たすべき責任を果たしていないと発言してきた。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年3月4日
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