村上春樹の最新作で初の自伝となった「職業としての小説家」の中国語版がこのほど、中国の大手編集プロダクション・新経典文化から出版された。村上春樹は同作で、「努力を続けて、ただの一般人だった自分が小説家になる夢を叶えることができた。本当にやりたいことをするなら、飛行機が離陸すように十分な滑走路が必要だ」とその胸に秘めた思いを語っている。(文:蔡震 揚子晩報掲載)
面白いのが同書の中で、村上春樹が特に一章を設けて文学賞に対する態度について語っていること。
村上春樹「自分はただの一般人」
「僕は他の人と同じく、ただの一般人にすぎない。街中を歩いていても誰からも注目を浴びることはなく、レストランではひどい席に座らされることも多い。もし小説家ではなかったら、他の人から関心を集めることもないだろう」と語る村上春樹は、自分を「犬タイプ」か「猫タイプ」かで分類するとしたら、完全な猫タイプにあたるとしている。なぜなら、「右へ回れ」と指示されたときに、思わず左に回ってしまいそうになるからだという。
大半の人はふつう、大学を卒業してから結婚をするが、村上春樹は結婚して生活のために仕事するようになってから大学を卒業している。村上春樹は結婚した後、当時ジャズにはまっていたという理由で小さなジャズ喫茶をオープンした。大学卒業前に結婚したので、資金もなく、彼と奥さんは資金繰りのために3年間ずっとアルバイトをいくつも掛け持ちしていたという。
そして村上春樹は30歳のときに、第22回群像新人文学賞を受賞し、作家デビューを果たした。このとき村上春樹はすでにある程度人生経験を積んでいたという。村上春樹は自分の若い頃を振り返って、「20代のころは、ずっと辛い生活を送っていた」と語っている。
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