「深夜食堂」という名前の、多くの人を感動させた日本のドラマがある。毎日深夜、小料理屋のマスターが、客席カウンターのすぐ内側にある厨房で美味しい料理を作りながら、客が語る人生の物語に耳を傾けるという設定だ。(文:徐航明 瞭望東方周刊掲載)
〇「深夜食堂」はどうしてこれほど温かいのか?
小料理屋のカウンター席がとても重要な要素の一つ
多くの和食の小料理屋は、バーのカウンター席のように客席カウンターのすぐ内側に厨房があるという設計で、小料理屋を代表する特徴の一つとなっている。筆者は最初、スペースを節約し、より多くの客席を設けることが目的だと思っていた。その後、これには大きな秘密が隠されていることに気付いた。
日本の研究者によると、日本料理店がカウンター席を導入する背景には、四方を海に囲まれているという自然環境からの恵みを受け、食材、特に魚介類はいつでも新鮮なものを購入でき、それを調理してすぐに顧客に提供できるという事情がある。また、日本は宗教によるタブーが少なく、料理人は食材を自由に選ぶことができる。
当然のことながら、カウンター席の最大の利点は、透明性が高いことだ。
顧客は、料理に使われる材料や調理方法を全て実際に見ることができる。それによって安心感が高まり、しかも食欲をそそられる。一方料理人も、顧客の好みを直接尋ね、顧客からの感想や評価を聞くことができる。なによりも大切なのは、顧客が料理を口に入れた瞬間の表情を見ることができることだ。
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