▽全面カバーは難しい ネットワーク不通の脅威 キャッシュレス社会には多くの困難も
当たり前のことだが、キャッシュレスの電子決済には多くの問題も存在する。
電位決済はすべての人にとって便利で迅速とは限らない。たとえばネットワークが通じていない地域、ネットワークを利用しない高齢者などには便利でも迅速でもない。キャッシュレス社会を基本的に実現したデンマークでも、大きな問題が存在する。デンマークの農村地域のリタイアした高齢者の多くは銀行カードを使用せず、電子決済はもちろん使えず、政府がキャッシュレス社会建設の歩みをゆっくりにすることを望んでいる。キャッシュレス社会では高齢者が社会システムから疎外された感覚に陥ることもある。
また電子決済は現金の紛失や強盗に遭うといった安全の問題を解決すると同時に、別の安全問題も引き起こす。電子決済と流通の安全はしばしば2つの課題に遭遇する。1つめの問題は、人為的ミスと悪意による詐欺行為、ハッカーの攻撃と技術的な詐欺行為は電子金融の流通と決済に多大な損失をもたらし、数えきれない電子詐欺事件を引き起こしている。軽視できないことに、デンマークでは現金強奪事件は確かに減ったが、一方でクレジットカードのスキミングや詐欺などの犯罪が増加している。
電子金融が直面するもう1つの問題は、システムが崩壊すれば、金融の流通と決済ができなくなることだ。災害(地震などの自然災害や戦争などの人的災害)が発生して、光ファイバーと末端の設備が壊れれば、電子決済はマヒ状態に陥り、正常な社会生活もマヒする。同じく、ハッカーの攻撃もネットワークをマヒさせ、消費と決済をできなくする。
これは極端なケースかもしれず、もう何年もこうした事態は起きていないかもしれないが、安全性という角度からみると、情報技術によって安全と災害時のコントロール・救援を確保するという考え方を踏まえても、人類はバックアップのない1種類のシステムだけでやっていくわけにはいかず、生活や金融の分野で現金をすべて廃止してしまうことはできない。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年4月7日
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