こうした問題はどれも地上のモバイルネットワークによる完璧なカバーは不可能という原因に由来する。実践13号のチーフデザイナーの劉方さんは、「通信衛星であればこうした問題を解決できる。もっとも直感的に感じられることは、これまではもっぱらラジオ・テレビ放送、基幹ネットワークの政府ユーザー、企業ユーザー、大口ユーザーにサービスを提供してきたが、今は一般の個人ユーザーにもサービスを提供できるようになったことだ。たとえばモバイルWiFiルーターを携行すれば、衛星の信号をWiFiに変換することができる」と話す。
これまで航空機や高速鉄道を利用する多くの人が、ネットワークにスムースにつながらないことで困っていた。主な原因はモバイルネットワークが複数地域をまたがり、切り替えが頻繁に行われ、サービスが利用状況に追いつかないことにあった。実践13号は航空機、水上輸送、鉄道など各種の交通ツールの1万人を超える乗客のためにネット接続体験を根本的に改善した。ユーザーの端末は簡単に素早くネットワークに接続でき、ダウンロード速度は最高150Mbpsに達し、衛星通信のブロードバンド応用を実現したといえる。さきに「搭載衛星中継ラジオテレビ受信・サービスシステム」の研究開発が成功したことで、今後3年以内に、中国の民間旅客機約2千機、高速鉄道約3千台、客船数万隻で、いつでもどこでも高速ネット接続が可能になる見込みだ。
▽中国電気通信サービスは世界へ向かう
1990年代以前、中国で利用される通信衛星はどれも海外から輸入されたものだった。長年にわたるたゆまぬ努力の結果、現在の中国では固定通信による放送、モバイル通信、データ中継などの衛星通信技術サービスシステムが形成され、軌道上にある民間(商用)通信衛星は16基に上り、中継器の総数は273台に達し、北京、香港、新疆ウイグル自治区の喀什(カシュガル)の3ヶ所を相互に接続する衛星測量制御・事業モニタリングネットワークが構築され、南アジア、アフリカ、欧州、アメリカ大陸を結ぶ衛星電気通信拠点が構築され、グローバル化した衛星通信サービスの能力が基本的に形成された。
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