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「中国で最も稼ぐ外国人作家」は東野圭吾 その翻訳者は東野のファン (2)

人民網日本語版 2017年04月18日09:27

ミリオンセラーの理由

東野圭吾の作品はずっと人気だったものの、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」がミリオンセラーになるとは、李盈春は想像もしていなかった。李盈春と仲間たちは、大ヒットの理由について分析し、「まず、癒し系の作品は現代社会においてとても人気がある。現代人は強いプレッシャーにさらされ、温かい癒し系の作品を好む。次に、推理小説は一部のグループにだけ人気で、推理小説が売れたとしても、そのグループ内で売れるだけ。その影響力には限りがある。しかし、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は推理小説の要素が少なく、完全な推理小説とは言えない。多くの人からすると、タイムスリップ、ミステリーの要素を持った、温かくて、おもしろい小説だといえる。推理小説が好きであるかどうかにかかわらず、多くの人に受け入れられる。最後に、東野圭吾はストーリー作りのプロ。そのストーリーは非常に魅力があり、人を引き付け、一気に読み終えたいという気持ちにさせる。それは本当にすごいこと」という結論に至った。

東野のファンが東野の作品を翻訳

李盈春は、「私の所得にはほとんど影響がない。翻訳費は文字数でもらっている。もし、版権を持っているのなら、かなり儲かっただろうけど」と話し、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の大ヒットによる金銭的な影響はなかったものの、生活は大きく変化したようで、「08年から今までに10作品以上の小説を翻訳しているが、それを読んでいる周囲の同僚や友人はほとんどいない。しかし、昨年末に年間図書ランキングが発表されたころのある日、同僚3人から、『ナミヤ雑貨店の奇蹟を翻訳したんだよね』と聞かれた。『同名の翻訳者だと思ったら、本当に君が翻訳した小説だった』と話す友人もいた。身近な知り合いがミリオンセラーの翻訳者であるというのも、とても不思議な体験だろう」とした。

現在、母親になった李盈春は東野圭吾の別の作品を翻訳中で、「初期の小説の中でもおもしろい作品。私が初めて読んだ東野圭吾の作品で、当時はあまり推理小説を読んでいなかったためか、とても感激したのを覚えている。その作品を自分の手で翻訳する日が来るとは思ってもいなかったので、記念すべきこと」と話す。さらに、山田宗樹の小説の翻訳も決まっているとし、「ハリウッド大作のようで、とてもおもしろい。当時、日本語版を読んだ時は我慢できずに一気に最後まで読んだ。翻訳の話が来た時にはすぐに引き受けた。その作品の中国語版の刊行もとても楽しみにしている」という。

ちなみに、「中国で最も稼ぐ外国人作家ランキング」は、外国人作家の中国での印税収入を調査し、その作品の中国図書市場における実際の売れ行きを反映している。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年4月18日 


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