香港の英皇電影(エンペラーモーションピクチャーズ) と中国大陸部の映画館チェーン・万達電影がこのほど、日本の小説家・東野圭吾のベストセラー小説「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を中国語で映画化する権利を取得したことを発表した。京華時報が報じた。
東野圭吾は本格推理・サスペンスを得意とし、リアルな作風が売りとなっている。中国語に翻訳された作品は、通販サイト・アマゾン中国のベストセラー小説にランク入りし、販売数は計200万冊近くになるなど、中国でも多くのファンを抱えている。2012年の作品「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は、日本で権威ある中央公論文芸賞を受賞し、米国推理作家協会(MWA) のエドガー賞候補作にも選ばれた。
同作品は、「ナミヤ雑貨店」を舞台にストーリーが展開される。人々は、同雑貨店のシャッターにある郵便口に、悩みごとを書いた手紙を投函し、数日後にその返事が牛乳箱に入れられる。この雑貨店をめぐり、さまざまな悩みを抱える人々が、心あたたまるストーリーを展開する。
同作品が中国語で映画化されることに関して、東野圭吾は、「映画化は容易ではない。チャレンジ性に富んだ製作になるだろう。リメイク作品を1日も早く見たい」と期待感を示した。東野圭吾の「秘密」や「白夜行」、「容疑者Xの献身」、「レイクサイド」などの作品は、日本や韓国でドラマ化、映画化、アニメ化されている。中国語で映画化されるのは「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が初めて。
映画は2016年にクランクイン、17年の公開を目指す。英皇電影と万達電影は間もなく、メインキャストを発表する。
「人民網日本語版」2015年10月30日