「宝箱」を持ってフライト
現在、中国では海外旅行がブームになっており、中国の航空産業は急速に発展。世界一流のグローバル化した航空会社にすることを目標に掲げる東方航空では、外国人スタッフも増えている。関田さんは、フライトアテンダントが特別な職業で、自分ならではの役割があることをよく理解しており、「中日両国の友好交流のために自分のエネルギーをできるだけ注ぎたい」と話す。
そして、フライトの時はいつも旅客に配るちょっとしたプレゼントがたくさん入った「宝箱」を持っている。日本人の乗客には上海のポストカード、中国人の乗客には富士山のシールをプレゼントし、そのようなちょっとした気遣いと親切心によって、乗客は不満を抱いていたとしてもすぐに機嫌を直し、笑顔になるという。
関田さんは東京から上海に向かう便であったあるエピソードを今でも覚えている。その時、ある日本人の高齢女性が額に入った写真を持っていて、ずっと写真にしゃべりかけていた。関田さんは時間の合間を見つけてその女性に話しかけ、写真に写っているのは女性の夫ですでに他界したこと、そして、今回中国に旅行に行くのは夫と約束していた結婚記念旅行であることを教えてもらった。その女性の気持ちを汲んで、関田さんはお茶を用意する時には2杯用意して、席のテーブルに置いたので、その女性はとても感動したという。そして、その女性の話し相手になって上海の観光スポットやおいしい食べ物などを紹介し、別れ際には「宝箱」から上海のお土産を選んでプレゼントし、「旦那様との旅行を楽しんでください」と言うと、周囲のたくさんの乗客は感動に包まれた。
文化や地域の違いは、フライト中でも感じることがよくあるという。「食後に食器を回収することを例にすると、中国人のほとんどは自分のしたいことをするために、食べ終わるとすぐに回収することを望むのに対して、日本人は食後にまったりとして、食後の余韻に浸ることを望む。そのため、日本人の場合、急いで回収すると不快に感じさせてしまう」と関田さん。そのため、中国人スタッフと何度も意思の疎通を図るようにしているといい、今では関田さんのクルーは中国人の乗客の間でも、日本人の乗客の間でも好評を博すようになっている。
2016年、関田恭さんのコツコツとした努力が実り、東方航空初の外国人乗務員リーダーとなった。そして、今年の「メーデー」に、東方航空の優秀な外国人スタッフの代表に選ばれた。関田さんにとって、これは「表彰」というよりは「自分の信念の証」で、自分の役割をしっかりと果たし、心を込めて乗客をもてなし、乗客の笑顔のために努力してきたことが成果を生み、敬意を示されるようになっただけにすぎないという。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月3日
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