杭州でこのほど、泣くに泣けず笑うに笑えない「窃盗事件」が起こった。杭州にやってきた2人の泥棒はコンビニ4軒に続けて盗みに入った。しかし、盗みに入れば入るほど、「何かおかしい」という違和感を感じるようになった。どのコンビニの小型金庫にも、現金はほとんど入っておらず、盗んだ現金を全てあわせても、杭州への往復の交通費にもならなかったのだという。
「杭州のコンビニには、なぜ現金がないのか?」-逮捕されて公安局に送られた2人は、全くわけがわからない様子だった。「杭州は今やキャッシュレス社会に突入したからだ」と、杭州市民がその答えを出した。
〇最大の「モバイル決済都市」となった杭州
記者が杭州で丸1日過ごしてみた。タクシーに乗り、バスに乗り、野菜を買い、医者の診察を受け、友人と会食し、散髪する。これらのあらゆる消費行為が、スマホをかざすだけでできるのだ。
携帯端末の普及に伴い、モバイル決済という決済方式を選ぶ杭州市民は増加の一途をたどっている。統計データによると、杭州では、タクシーの98%、スーパー・コンビニの95%、飲食店の50%がアリペイ決済に対応している。また、水道・電気・ガス料金、病院の診療代、交通違反の罰金など、杭州市民がアリペイを使って料金を納めることができる都市サービスは、50種類を上回っている。
アント・ファイナンシャル公共サービス事業部の劉暁捷・総経理は、「杭州市民がオフラインで費用を納めるサービスはほぼ全て、モバイル決済が可能となっている。杭州は今や、世界最大のモバイル決済都市であるといえるだろう」と話した。
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