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人気の高い日本ドラマの特徴は現実と向き合いながら保たれたぬくもり (2)

人民網日本語版 2017年05月08日10:42

実際には、田舎の若者が味わう挫折感、世代の違う親子の間にある溝、結婚生活における夫婦の役割分担など、具体的で、ダークな現実の話題が、夢物語のような純愛に取って代わるようになっており、近年ヒットする日本ドラマの代表格となっている。

同じ音楽をテーマにしたドラマでも、10年前の 「のだめカンタービレ」と比べてみると、「カルテット」は大きく異なる。前者は、上野樹里や玉木宏など、人気俳優が起用され、奮闘する天才音楽家の恋愛を描いている。一方、「カルテット」では、「天才」と「純愛」という夢物語の要素はなく、才能にはめぐまれていないものの、音楽をこよなく愛する若者4人が集結し、「夢のある三流の音楽家は四流でしかない」ということを自覚しつつも、音楽を通しておもしろみに欠けた人生を充実させることに励み、非常に細かな部分で互いに寄り添い合い、ぬくもりを感じようとする。

「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」では、「平凡な苦しみ」にスポットを当てている。同ドラマは東京を舞台に、田舎から上京した若者が大都市で奮闘する過程で、悩み困惑する様子を描いている。幼少期に母を亡くしているヒロインの杉原音は子供のころから、養父母と暮らすというストレスの多い環境で育ったものの、明るく前向きに生き、大人になってから上京して夢をかなえるために奮闘していく中で失敗と挫折を経験する。ドラマのストーリー全体に「挫折感」が漂うものの、失敗を経験した人が厳しい現実の中でちょっとした幸せを見つけるというのは、恵まれた環境で育った人が成功するよりも、人の心を打つものだ。

第6回コンフィデンスアワード・ドラマ賞で作品賞を受賞した「逃げるは恥だが役に立つ」は、「逃避」をテーマに掲げた作品であるものの、見る人の心をとらえたのは、社会問題から「逃げない」姿勢だった。そして、「雇用主と従業員」という関係の契約結婚という一見ありえない関係が描かれ、結婚を嫌がる今の若者の心理状況や、これまであまり目に留められていなかった女性の家事の価値という問題に迫っている。


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