高山陳屋で歴史を垣間見る
高山市八軒町には、有名な「高山陳屋」もある。元来は飛騨高山藩主であった金森氏の所有する下屋敷だったものの、江戸幕府が飛騨国を直轄領として管理するために代官所・飛騨郡代役所(陣屋)として用いられるようになった。今では、日本で現存する唯一の陣屋となっている。敷地内の土蔵は、元々慶長年間(1600年前後)に建設され、1695年に現在地に移築され、その後1816年から1841年まで改築が繰り返されたが、内部の構造は依然として昔の状態を保っている。
日本の木造建築の技術は、実は中国から伝わったとも言える。中国の職人が7千年間かけて経験を積んで築いたほぞ接ぎで木材を組み合わせ、モジュール制を尺度とする設計と加工方法を採用している。北京の四合院や蘇州園林、西遞宏村などはその代表的な建築物だ。
三町からもほど近い高山陳屋の木材は深みのある色になっており、歴史の長さを感じさせる。建物全体に歴史情緒が漂い、風格さえ感じられる。その中に入って見学してみると、中はとてもシンプルな作りになっている。平らな廊下に、畳、さらに和室にはなにげなく生け花や掛け軸が飾られており、典型的な日本建築だ。吟味所、御役所、大広間など、たくさんの部屋もあり、迷子になりそうになるほど広い。長い廊下をゆっくりと歩いていると、厳粛な空気が流れており、髪を結ったり、きせるをふかしたり、刀を腰にさしたりしている役人とすれ違うような気分になる。
建物の中はシンプルな作りであるものの、庭園にはまた違う趣がある。建物の周りには石の溝が張り巡らされ、排水施設からは当時の人の知恵が感じられる。また、いろいろな花や木が植えられ、色彩に富み、日本庭園独特の静けさと和の趣を感じることができる。
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