一向に回復しない支持率に、安倍首相はすでにじっとしていられずにいる。6月19日には、「強い口調で反論する」自らの姿勢について国民に陳謝。7月9日にも、8月初めに内閣改造と党人事を行う考えを表明した。失言により世論の渦に飲み込まれた稲田朋美防衛相の更迭は、安倍首相が「自分を救う」重要な手段になると分析される。だが安倍内閣の支持率低下がこれで鈍化していないのは、事実の示すとおりだ。日本テレビは10日、支持率はすでに31%にまで下落したと報じた。
■支持率下落の原因は以前から
国際関係学院国際政治学部の孟暁旭准教授によると、最近起きた2つのスキャンダル以外にも、第2次安倍政権発足以来日本政界は「自民一強」の勢いが非常に強く、内政や法律などの問題でしばしば強硬手段を用いる安倍内閣に早くから国民は不満を抱いており、「実は安倍内閣の支持率の低下は時間の問題だった」と指摘する。
2015年に安倍内閣は新安保法案を衆参両院で強行採決し、平和憲法の礎である「第9条」を事実上骨抜きにした。民意を顧みないその独断専行は、野党と国民の強い反発を招いた。戦後の平和憲法を大切にする日本国民は、近年の安倍首相の大がかりな改憲の動きを大変危険視し、不信感を募らせてきた。
「安倍氏の国内経済措置にも、国民は余り顕著な効果を感じていない」。孟氏によると、これも最近の大幅な支持率下落の重要な原因だという。
「経済面以外でも安倍氏はうまくやっていない。特に外交では、最近の中米関係改善によって日本は大変受動的な状況に置かれている」。中国政法大学の孫承・東アジア研究センター長によると、こうした要因によって自民党内に争いが生じ、現在の「安倍一強」は決して良いことではないとの考えが出ているという。最近、岸田文雄氏、石破茂氏など党内の潜在的ライバルが「ポスト安倍」の総裁ポストを奪取する意向を示している。「安倍氏の政治基盤全体が揺らいでいる」。
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