上海訳文出版社が23日、取材に対し、人気作家・村上春樹(68)の最新長編小説「騎士団長殺し」の中国語版が早ければ来年の春節(旧正月、来年は2月16日)に、紙版と電子版が同時発売されることを明らかにした。同社が村上春樹の長編小説の著作権を獲得したのは10年ぶり。注目の翻訳者は「ノルウェイの森」など村上春樹の作品を多数翻訳してきた林少華ということだ。新聞晨報が報じた。
発売と同時に大人気に
「騎士団長殺し」は今年2月24日、新潮社から出版。全2巻で初版部数は2巻合わせて130万部。発売と同時に飛ぶように売れ、販売部数は1週間で約50万冊に達した。現時点でも、インターネット書店での販売部数がトップ3に入っている。
「騎士団長殺し」 は、村上春樹にとって2010年の「1Q84 BOOK3」から7年ぶりの長編作品となる。
日本で発売されてすぐに、日本語に精通している中国の読者も夜も寝ずに読破し、評価を行った。そして、中国の多くの村上ファンが中国語版の発売を首を長くして待っている。上海訳文出版社は、「すでに著作権の契約にサインした。今、翻訳者を手配して翻訳が進められている」としている。同社は「騎士団長殺し」の電子版の著作権も取得しており、さまざまな読者のニーズに合わせて、電子版が紙版と同時に発売されることになりそうだ。
熾烈な著作権の争奪戦
村上春樹の作品の中国語版の著作権をめぐっては、これまでも中国の出版社が熾烈な争奪戦を繰り広げ、「騎士団長殺し」をめぐる争奪戦は空前の激闘となった。そして、その争奪戦を制したのは、中国において村上春樹の人気をこれまでずっと支えてきた上海訳文出版社。著作権をいくらで取得したのかは明らかにされていないものの、かなりの高額であったことに疑いの余地はない。同社は、「村上春樹の作品の著作権は絶対に逃すことはできず、その価値がある」としている。
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