著名作家・村上春樹氏の新作長編小説「騎士団長殺し」が2月24日に発売された。同作品は1000ページ以上にも及ぶ大長編で、新作を首を長くして待っていた「ハルキスト」や文芸界が熟読する中、日本の右翼勢力が真っ先に同作品に対する評価を書き込み、「反日思想」、「中国の機嫌を取ろうとしている」と批判した。村上氏の新作はどうしてこのような論争を巻き起こしたのだろうか?新華社が伝えた。
作中で南京大虐殺の事実を認める
記者がこのほど東京の繁華街エリアの駅近くにある大型書店を訪れると、入り口近くの棚には赤色と緑色の表紙の「騎士団長殺し」上下巻が陳列されており、店内で一番売れ行きの良い目立つ位置に置かれていた。この書店の本の売り上げランキングでは、小説部門と総合部門で他作品を押さえて、同作品がトップとなっていた。同作品の出版元である新潮社が発表したデータによると、初版発行部数は上下巻合わせて130万部に達しているということだ。この数字をたたき出せるのは、日本の出版界においては村上氏だけだといえる。
特に注目すべきなのが、村上氏が作中の中で歴史問題に触れており、それが「南京大虐殺の事実を認める」というものだったため、右翼勢力や極端な思想を持つネットユーザーたちがこれに反応しているという点だ。
村上氏は、同作品の登場人物同士のやりとりを通して南京大虐殺に対する考えを表現し、戦争被害以外で旧日本軍が大量の市民たちを殺害したことが問題の本質であるとしている。これだけではなく、同作品で登場する画家の兄弟二人が戦争に出兵させられた経歴と、主人公の「私」が戦争や南京大虐殺に対する反省の念を吐露する場面が描かれている。
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