この「死」と少し関係のある3つのストーリーから、日本文化特有の死に対する姿勢を垣間見ることができる。そこに激しい悲しみはなく、淡々と憂え悲しみ、その平淡な雰囲気が逆に見る人の涙を誘う。主人公が涙を浮かべて、笑いながら深夜食堂で最後の食事を食べるのを見ると、人生の苦痛や悩みから突然解放されるような思いになる。この世界において、「食」で解決できない苦痛はない。
同映画の最大の特徴は「ゆっくり」としたペースだ。中国の多くの映画・ドラマとは全く違うペースで、それを見ると、浮ついた心が落ち着いていくのを感じる。マスター役に黄磊(ホアン・レイ)が起用された中国版「深夜食堂」とは全く違う味わいがある。
日本ドラマのこのようなゆったりとしたリズムや人生に対する姿勢が、私はとても好きで、穏やかな気分にさせられる。夢の中で「深夜食堂」の香りを漂わせていれば、死もそれほど恐く悲しいものでなくなる。
東直門のグルメ街でネオンが輝き、深夜までにぎわっているその雰囲気はとても自由だ。そこでは、疲れた旅人が素顔を見せており、泣いている人もいれば、笑っている人もいる。そして、歌を歌っているながしの姿もある。そこでもしも亡霊が私のもとに来て酒をくれと言うなら、私は酒を注ぎ、その人の話をゆっくり聞いてみたいものだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年7月26日
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