海外旅行は今、「行ったよ!」と自慢する晴れがましいものから、「こんな体験をした」と中身を追求するものへと変わりつつある。新華網が伝えた。(文:趙清源・メディア関係者)
英紙「フィナンシャル・タイムズ」の報道によると、今年の夏にも中国の海外旅行者は過去最高を記録したが、消費の様子にはこれまでと違うところがあるという。仏調査会社イプソスとホテル予約サイトが行った年度調査の結果では、2017年には中国人観光客で買い物を主な目的として海外に出かけた人は3分の1にとどまり、16年の3分の2超から大幅に減少した。
かつて中国人観光客の旺盛な購買力が海外の人々を驚かせたが、今では「爆買い」モデルの旅行は第一線から退き、中国人観光客の海外旅行が徐々に旅行そのものの意味を問うものへ変わり、海外における観光消費もバージョンアップしつつあることがうかがえる。
こうした変化が出現した理由を考えると、その土台には海外旅行をする人の構造の変化が、すなわち1990年代生まれ(90後)や00年代生まれ(00後)が観光市場に加わったことがある。若い世代の旅の嗜好はまず旅のスタイルに現れる。調査によると、今年上半期はフリープランの旅行者が52%に達し、従来型の団体ツアーを上回り、中国人観光客が一番に選ぶ旅のスタイルになった。中国の若い世代は英語を話せ、外国の文化もよく理解しているので、団体よりフリープランを選ぶ。
若い世代の一部の旅の嗜好は消費スタイルにも現れる。彼らは旅でどんなことを味わうか、どんな体験をするかをより重視し、旅のクオリティと自分らしさを追求する。データをみると、回答者の80%以上がハイクラスの旅行商品を選んでおり、こうした商品の主な特徴は、ホテル、航空機、移動用車両などのサービスのグレードが高いこと、買い物の時間が少ないことだ。最高クラスの商品では、5つ星のデラックスホテルに宿泊し、買い物が含まれないのが標準で、旅行中に土産物店などに行くことはない。若い世代は観光地を次から次へと移動する駆け足の旅行から中身を深く味わう旅行を選ぶようになり、海外旅行は今や、「行ったよ!」と自慢する晴れがましいものから、「こんな体験をした」と中身を追求するものへと変わりつつある。
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