韓米両軍は21日、年次合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」を開始した。韓国軍5万人と米軍1万7500人が11日間の演習に参加する。報道によると、演習は朝鮮半島有事の際の朝鮮の核兵器・ミサイル施設への先制攻撃を含む韓米「作戦計画5015」に基づき実施される。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
一触即発の朝鮮半島情勢に最近、緩和の兆しが少し生じていた。だがそんな中、韓米合同軍事演習によって再び緊張が走った。朝鮮半島核問題が実質的に沈静化していなかったことが示された形で、朝鮮半島「8月危機」がエスカレートするか否かが注視される。
朝鮮半島が非常に敏感かつ複雑な情勢にある中、韓米が大規模合同軍事演習をあくまでも実施することで、朝鮮半島情勢の行方への外部の懸念が高まることは間違いない。1953年の朝鮮半島停戦以来、韓米両軍は春の「キーリゾルブ」「フォールイーグル」、夏の「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」など大規模合同軍事演習を毎年実施してきた。朝鮮は韓米合同軍事演習に強い不満を表明し、朝鮮を敵視する威嚇的行動と一貫して見なしてきた。8月20日、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は韓米合同軍事演習について「火に油を注ぎ」、緊張を激化させるものと激しく非難する論評を掲載した。
こうした中、中国の「相互停止」提案は最も合理的で筋の通った、客観的で公正、かつ現実的で実行可能な案だ。関係各国は真剣に検討すべきだ。朝鮮半島の平和・安定維持は関係各国の共通の利益、共通の責任だ。朝鮮半島の直接の当事国である朝米韓は一層努力を払うべきだ。
韓国の文在寅政権はこのほど同国の立場を明確にし、外交努力を通じた平和的解決の原則を重ねて表明。「いかなる代償も惜しまず戦争を阻止する」「大韓民国の同意なしに、誰にも軍事行動を起こす権利はない」とした。この姿勢表明は朝鮮半島の平和維持に資するものであり、評価に値する。
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