欧州航空安全機関(EASA)は18日、検査データ改ざんの大規模なスキャンダルが発覚した日本の神戸製鋼所の「締め出し」に着手し、関連企業に神鋼の製品をしばらく使用しないよう呼びかけた。新華社が伝えた。
神鋼の検査データ改ざん問題の調査が進むと、潜在的な被害者は日本企業と外国企業の約500社に拡大し、自動車、鉄道、航空、宇宙など多くの産業に広がった。
EASAはコメントの中で、「メディアの報道によれば、神戸製鋼所のデータ改ざんは『長年』にわたるもので、対象製品は『幅広い』。そこでEASAは欧州の航空会社にこの問題を注意するよう呼びかけ、『第一段階の提言』を打ち出した」としている。
EASAは航空機の設計、製造、メンテナンスに携わる企業に「供給チェーンを詳細に検査」して、神鋼の製品が使用しているか、いつ使用したかを確定するよう呼びかけた。同時に、企業に検査結果を顧客と主管部門に知らせることを義務づけた。
EASAは関連企業に対し、「代わりのサプライヤーがあるなら、神戸製鋼所の製品は基準を満たしていることが確認されるまで、一時的に使用を停止しなければならない」と伝えた。
神鋼のスキャンダル発覚後、主要産業の管理機関が業界向けにこのような提言を打ち出したのはこれが初めて。
欧州に航空機製造大手エアバスは、「神戸製鋼所から製品を直接調達してはいないが、サプライヤーから提供される製品に神鋼製品が含まれていないか現在調査中」としている。神鋼は昨年7月、着陸装置大手メーカーのフランス・サフラングループにチタン部品の提供を開始し、部品はエアバスの新型旅客機「A350XWB」に使用されることを明らかにした。日本紙「日本経済新聞」の先週の報道では、データを改ざんした神鋼製品は海外企業数十社の製品に使用されており、顧客にはエアバスと米ボーイング社の名前もみえるという。
米司法省は神鋼製品の米市場での使用状況の調査を始めており、16日には神鋼米国支社に対し関連製品の資料を提出するよう求めた。
神鋼によると、データ改ざんは10年前に始まり、個人の行為ではなく組織ぐるみの行為だったという。日本メディアは、神鋼の改ざんはこれまで考えられていたよりも長く続いていた可能性があると報じた。
神鋼は今回のスキャンダルで大きな痛手を受け、株価は年初以来の最高値に比べて約40%も値下がりした。川崎博也社長兼会長も、「(神戸製鋼所の)信用力はゼロに落ちた」と認めている。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年10月21日
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