北京展覧館で開催中の大型成果展「錬磨と奮進の五年」の会場では、大勢の来場者が「デジタル故宮」体験コーナーに足を止める様子が見られた。ハイテクツールによって、これまでガラスケース内に展示されていた貴重な国宝が「復活」し、来場者の目の前に生き生きと登場した。北京青年報が伝えた。
幅7メートル、高さ4メートルのインタラクティブ・タッチコントロール・スクリーンが、故宮文化財の「多宝閣」となる。画面上には、青銅器、陶磁器、金・銀製品、玉細工、漆器などの故宮秘蔵のデジタル文化財逸品60点あまりが展示されている。来場者が画面に軽く触れると、その文化財が拡大表示されるほか、回転・反転することで360度全角度から展示される。
故宮博物館は、国内の博物館の中でも、所蔵文化財が最も豊富な施設の一つという。「デジタル故宮」は「デジタル文化財」という形式を通じて、普段は展示することが難しい文化財や実物をマルチメディア方式で観衆の前に展示する。このような方法により、文化財の安全が保障されるうえ、観衆の参加度も高めることができる。
故宮所蔵の国宝級青銅器「宴楽漁獵攻戦紋図壺」の前に立つ大学生の許遠航さんが、この青褐色のデジタル文化財を見極めている。スクリーンを指でスワイプさせると、この文化財がすぐ回転し始めた。さらに面白いことに、許さんが文化財の傍にあるタッチキーをクリックすると、文化財の表面に彫り込まれた模様や人物が動き出した。戦国時代の射礼(弓を射る儀式)、採桑礼(桑の葉を摘む儀式)、宴会、漁・狩猟、さらには戦争のシーンが一つ一つ再現された。「これまでに博物館で見た文化財はいずれも、ガラスケースに入れられて展示されていたので、私たちの実生活とはとてもかけ離れているという感覚があった。このようなスマートハイテクの手段を駆使することで、もともと活気がなかった文化財は命を再び与えられたように、すべて生き返った感じがする。このような展示方式は、躍動感があって大変興味深い」と許さんは感想を述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年10月21日
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